サラリーマンだが、これからストック収入をつくりたい。
今から投資をはじめたほうが将来いいのだろうか。
すでに資金はあるので投資について知りたい。
そんな想いを抱えている方が近年増えている傾向にあります。
投資をしてみたいけど実際のところどんな運用なのかイメージがつかない、という方のために、今回は不動産投資を実際にされているプロの投資家の方へ独占インタビューさせていただきました!
大学卒業後、ハウスメーカーで住宅の設計、ゼネコンで現場監督・設計を経験し、さらに業界の知識を深めるために設計事務所へ…。
不動産の建築&ビル管理や建築業界でさまざまな経験を積んできた一級建築士の地原 誠氏(仮)は、一級建築士でありながら京都に9世帯の一棟マンションを所有する不動産投資家でもあります。
現役投資家の地原氏が長期投資をするうえで立地条件、利回りや稼働率だけでなく、不動産の構造で見逃すことができないポイントとは一体なんでしょうか?
最後まで一流投資家の答えが見逃せません!
Table of Contents
【プロフィール】地原 誠(ちはら・まこと)
ハウスメーカー、ゼネコン、建築事務所で培ってきたさまざまな経験と、建築業界や不動産業界の知識をもつ。
さらに建物構造のプロである一級建築士として活躍。
また立地条件や利回りのみでなく、ストックとなる不動産そのものの構造まで徹底的に調査し、自らも不動産投資を展開している。
1.長期にわたり不動産投資をするなら建物の構造を無視してはいけない。
ー建築士の視点から、不動産投資においてはずせないポイントはなんでしょうか?
地原:一番はずせないのは「地盤」です。建物の基礎となる地盤がしっかりしていることが大前提です。
基礎となる部分であり、ここは絶対にはずせません。また建物に入りまず確認するのは、「床が傾いているかどうか」です。
ある程度の大きな物件になってくると「住宅性能評価書」といわれる書類があるはずです。
設計段階と検査段階の断熱性、耐震性、省エネ性など、それぞれ10項目ほど記載されたもので、オーナーや管理会社に出してもらうことも必要です。
また不動産投資をやってみてわかったことは、不動産投資の計画のなかで「修繕費」を考えておくことの大切さです。
オシャレなデザイナーズマンションは入居率もよいですが、デザイン性を重視するために壁が斜めになっていた場合、経年劣化が早かったり壁塗りなどに資金がかかったりします。
投資用であるなら、四角いものが1番よいと思います。
ー地盤の調査はどういうところを確認したらよいでしょうか?
地原:建物の大きさによって違ってきますが、3階建てのメゾンや2階建ての木造戸建は今の建築基準法上では地盤を補強しなくても建てられます。
竣工したときには必ず検査していますので、しっかり補強されているか、地盤がしっかりしているかなどを専門家にみてもらったほうがよいです。
大きなタワーマンションなどは費用を安く抑えるため、埋め立て地に建てることが多いです。こちらも杭が適正のものかどうか、専門家に調査してもらうことも1つの方法です。
ー修繕費で気になるものはなんでしょうか?
地原:一棟の場合、共用スペースは最低限あったほうがいいですが、ありすぎると維持費がかかります。もっともお金がかかるものが「エレベーター」です。
国土交通省の報告では、(物件に設置されているエレベーターを)初期、中期、後期の10年単位で見た場合、事故やトラブルが圧倒的に多いのは後期の20年~30年です。
20年目まではめったに事故やトラブルはないようですので、20年に1回はエレベーターを交換することが事故やトラブルの回避になります。
しかし、実際はそこまで余裕があるオーナーさんは少ないと思います。
1台で1,000万円以上かかることもあり、不動産を購入したあと、すぐにエレベーター交換となると収支を圧迫してしまいます。
だからこそ不動産の設備などもしっかり見ておく必要があります。
ー不動産投資をするうえで建築士視点からみた押さえておきたい3つのポイントは?
地原:さきほども言いましたが、1つ目は国が検査している「住宅性能評価」を確認することです。
2つ目は短期的にみるのでなく、工事会社が5年後、10年後の改修費用も出してくれるので、そのことが整合性をとれているかを専門家にしっかり確認してもらうことです。
最後に3つ目は個人的な見解ではありますが、飽きのこないデザイン、シンプルなデザインの物件を選ぶことです。
建築士としてはデザイン性のあるものは作りたいですが、投資用では将来発生する経費を考えて、シンプルな不動産がよいです。また、オーナーさんや入居者さんの意見のなかでも「つかいやすいことが1番」という意見が非常に多いです。
2.不動産投資をする人は二極化される。
ー物件を見に来る人はどんな人が多いでしょうか?
地原:二極化されています。ワンルーム投資から1億円ほどの一棟マンションの場合、会社員や会社員を引退された方が多いです。それ以上のビル一棟になってくると、先祖代々お金を持っている人が多くなります。
それぞれ不動産投資の目的が違い、会社員の場合、そこまでリスク取ろうという人はなかなかおらず、貯金の足しや年金の足し、将来に備えて購入する人が多いです。
~これから不動産投資を考えている人へ~
もし長期的に不動産を持ち、家賃収入を継続的に得ようと考えるのであれば、ストックとなる不動産の構造をしっかりと確認しておくことが大切です。
修繕費などは必要経費となりますが、想定外のコストが発生してしまうと収支を圧迫してしまい、今後の不動産投資の展開に影響が出てきます。
そのためにも建築士など建物の構造を知り尽くしたプロの目でしっかり調査をしてもらうことが大切です。多少お金がかかりますが、将来の人生設計の保証を得るためにも専門家の調査をお勧めします。
(インタビュアー:三浦)