父親が不動産オーナーであったため、幼いころから父親の背中を見て育ってきた。
父親からの学びや、ご自身の経験を通じ不動産投資の経験を今日まで培ってきている。
そんな村上氏が考える、初心者が不動産投資を始めるにあたり知っておきたい不動産投資の魅力や物件選びのポイントとは?
【プロフィール】
村上信一(むらかみ・しんいち)
不動産経営をしている父親の背中をみて育ち、数々の体験から得てきた知識をいかし、大学生のときに不動産投資をはじめる。
不動産投資に限らず、株やFXについても個人投資家としてトレードを行い、大学卒業後は証券アナリストとして活躍。現在は不動産投資だけでなく、数々のビジネスを展開し、マルチな才能を発揮している。
Table of Contents
1.不動産は社会的信用が高い
ー長期投資をするうえで、不動産の魅力(メリット)はなんでしょうか?
村上:不動産を持っていると社会的信用が高くなることです。株を持っていても担保にならない。銀行などから借入れをするにも社会的信用が必要です。価値のある不動産を持っていると社会的信用になり、不動産を担保にすることで借入れもできます。
また不動産があることで2棟目・3棟目を購入でき、さらにレバレッジが効きます。株を購入するために銀行はお金を貸してくれません。
信用取引をすることも可能ですが、大暴落があると株の場合、なにも残りません。不動産の場合は、最終的に売却で返済することも可能です。
ー不動産投資のリスク(デメリット)はなんでしょうか?
村上:一番のリスクは空室になることです。空室になると家賃収入が入らなくなるため、借入の返済ができなくなります。
あとは老朽化がすすむこともリスクです。借入の返済が終わったら、リフォームが必要になってきます。特に水回りの修繕費が高い。
あと法律も次々変わるので、建てた当時では基準をクリアーしていたものが現在の法律ではダメになることもよくあります。
それ以外にも実際に父親の不動産で過去にあったのは、入居者が車好きな人で、明け渡しの際に部屋中がタイヤだらけであったり、別の部屋ではBBQをされてフローリングが焦げてたり…そうなると数々の撤去や修繕などでさらに経費がかかります。
だからといって入居者を選んでいると、空室になるリスクがあります。
2.不動産投資は借入で行うことができる唯一の投資
ー不動産は高価なものですが、借入と自己資金どちらがいいですか?
村上:潤沢な資金があるなら、自己資金がよいです。自己資金を準備するのが難しいのであれば、借入でもよいです。
不動産投資は借入ができることがメリットですから、少ない自己資金で大きな不動産を取得できます。
ただ、自営業者であれば借入の審査が厳しいのも事実。知人は借入れができずに、先物投資でつくったお金で1棟目を買っていました。
自己資金をつくるために、自分でビジネスをやってみるのもひとつの方法です。
ー借入れしても返せるものなのでしょうか?
村上:空室がなければもちろん返済できます。借入れして、不動産を持つことはそう難しくないと思います。
より大切なことは不動産を建てたり、購入してから利益を出し続けたりすることです。
3.物件は自分の目的に合ったものを選ぶ
ー物件選びのポイントはなんでしょうか?
村上:なんのために不動産を購入するのか。不動産投資をする目的によって選ぶ基準が違います。
少ない資金で大きな利益を得たいのであれば、地方の物件を購入するのもよいです。
問題は入居者を埋められるかどうか。父親も地方に不動産を持っていますが、以前は入居者を埋めるのに苦労していました。
家賃を下げたり、新しい設備を設置したりもしていました。
また、大学のキャンパス付近に中古物件を買ったあとに、大学側がマンションを建てたため入居していた学生の全員が引っ越してしまいました。
現在はベトナム人(外国人)に賃貸し、満室にしています。
地方郊外は工場に外国人が労働をしにきていますが、受け入れ先がなかなかみつからないので、今は知り合いか外国人が入居しています。地方の物件はより柔軟な経営判断が大切です。
空室を埋めるノウハウがなくて管理会社に依頼するのなら、一等地がいいです。
管理会社は広告をしてくれるので、何もしなくても入居者が決まります。
反面、都市部の一等地となると大きな資金が必要となり、利回りも下がるため利益は少なくなります。
~これから不動産投資をスタートする人に向けて~
ー最後に、これから不動産投資をチャレンジする人が行動するとよいことは?
村上:不動産投資の本を読んで、知識をつけることです。不動産投資に限らず、どの分野においても知識がないと、なにも始まりません。
武器を持たずに戦場に行くようなものです。わたしの場合、投資のきっかけは株やFXでしたが、当時200冊以上の本を読みました。
あと不動産投資で成果を出している人に学ぶことです。
師匠といえるような人を見つけることができれば、相談し、アドバイスを受けられます。
そのような人と出会うために、セミナーや交流会に参加してみるのがよいです。
(インタビュアー:三浦)